4月。みどりの森ゆめのはこども園、年中は、お米づくりをテーマに「お米プロジェクト」としてこの一年間取り組んできました。
年中で初めて集まった日に、絵本「おこめができた!」を読みました。子どもたちからは、「いっつもたべとるごはんだ!」「おばあちゃんのいえにも、たんぼあるよ!」「むしがおる!」などと子どもたちがお米について知っていることや絵本を通して気づいたことなどを伝え合う姿がありました。
6月。田んぼを実際に見させて頂けることになり、電車に乗って白木の田んぼ見学に行きました。
田んぼの中にはおたまじゃくしやあめんぼなどの生き物がいて、「おたまじゃくしづりする!」「かえるおった!」と子どもたちは目を輝かせて田んぼの中を覗いていました。
そして、田んぼの土とお米の苗を頂きました。「おもたい!」「みんなではこぼ!」などと友だちと協力して自分たちの手で、頂いた土と苗を運びました。
園に帰ってから苗植えを行いました。「どろどろする。」「きもちいい。」「これがおこめになるん?」などと苗植えをする中で土の感触やお米が本当にできるのかという不思議さを感じている姿がありました。
7月〜9月。
日々の戸外遊びで、お米を観察したり、水やりをしたりと日々成長するお米に子どもたちの興味関心も高まっていきました。
10月。
子どもたちのお米も黄金色に色づき始めた頃。白木の田んぼのお米もそろそろ収穫するということで再び田んぼの見学に行きました。電車を降りると、目の前には、綺麗な田んぼの景色が広がっていました。「ついたー!」「きもちいい!」と子どもたちも白木の澄んだ空気と晴れ渡る空の心地良さを体いっぱいに感じていました。
田んぼを見た子どもたちは、「え!おおきくなっとる!」「まえは、あしぐらいだったのに、おなかまでになっとる!」などと6月の時の田んぼと比べて、その違いに気づいていました。乾いた土を触って「やわらかい。」「なんかぷにぷにしとる。」と感触を楽しんだり、「いいにおいがする。」と稲穂をの匂いを嗅いでみる姿がありました。
保育園のお米も収穫をする時がやってきました。ハサミを使って稲穂をしっかりと握り収穫していきます。
「おこめできた!」と収穫を喜ぶ子どもたち。「もうたべる?」と今すぐにでも食べたい気持ちでワクワクしていました。
そこから1週間ほど乾燥させたあとに、籾の皮を一粒一粒子どもたちの手で剝いていきました。
一粒一粒取っていき、すり鉢棒で擦りながら籾の皮を剝きやすくしていきます。「かたい。」「むずかしい。」という声があったり、「むけた!」「おこめできた!」と剥けたことを喜ぶ姿がありました。
「このたった一粒でもこんなに大変でたくさんの時間をかけてお米ができるんだよ。」と伝えると、「ごはんのこしたらいけんね。」「たいせつなおこめ。」などと自分たちの手で籾の皮を剥く中で、一粒の大切さを感じている子どもたちの姿がありました。
11月。
保護者交流会でお米プロジェクトの集大成となる子どもたちが作ったお米での「おにぎりづくり」をしました。
またおにぎりづくりをする前に子どもたちによる「お米の発表」も行いました。
お米の発表では、お米作りをしてきた中で楽しかったことを発表するグループとおにぎりの作り方の発表をするグループがありました。子どもたちが絵の具で描いた絵を見せたり、絵本「おにぎり」のお話を元にしたりして素敵な発表をしてくれました。
その後、待ちに待ったおにぎりを保護者の方と一緒に作りました。「おいしい!」「おにぎりできうたー!」などと自分たちで育てたお米でつくるおにぎりは子どもたちにとって本当に特別なものでたくさんの笑顔で溢れていました。
この一年間、お米と共に成長していった子どもたち。「お米プロジェクト」という年中の共通して取り組んできたことがあったことで、仲間と協力すること、喜びを分かち合うこと、自分の言葉で気持ちを伝え合いそれが伝わる心地よさだったりと、食育だけでなく、友だちと同じ経験をする中でしか味わえない気持ちも知ることができた1年になったと思います。
保護者交流会で大満足の集大成となりましたが、実はお米プロジェクトはここで終わりではありません。
今回、使い切らなかったお米を使ってもう一度お米を炊いて食べたり、精米工場の見学に行くなど子どもたちに広がった興味関心をより深めていければと思っています。
今回、このお米プロジェクトにご協力してくださった白木の農家の方々、そして保護者の方々、子どもたちを温かく見守って下さりありがとうございました。またこれからも続く、お米プロジェクトをぜひお楽しみにしていてください。